ロックフォール、今夜はちょいと苦手な青カビ。其の壱。

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そのままじゃ、やはりちと抵抗がある。ピリピリとした刺激と、強い塩っけが苦手なせいもあるのだろう。とりわけ、「世界一の青カビ」と、食通たちに絶賛されている『ロックフォール』は、ことにそうだ。

フランス産/ロックフォール(チーズ)【150g】【冷蔵/冷凍可】【D 2】【父の日 ギフト プレゼント お返し お中元 お歳暮 パーティ】【hishock】

価格:2,268円
(2015/10/6 15:04時点)
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無塩バターをぬり、もしくはクリーム・チーズを混ぜたカナッペは、よくボルドーのカジュアルな赤とともに食べてはいるが・・・。あっ! そうそう、青カビ・チーズは、フシギとオムレツなんかの卵料理と相性がいい。まあ今のところ、あまり関係ないか。

「三大青カビ・チーズ」のなかでも好んで食べるのは、スティルトン。あのエリザベス女王が大好きなヤツだ。ゴルゴンゾーラも、嫌いではない。だからといって、牛乳製が好きで、ひつじ乳が嫌いなわけではないんだが。

鮮やかなグリーンの青カビを繁殖させ、その働きでチーズの内側から、外に向かって熟成し、風味をつくりだす青カビ・タイプ。タンパク質を分解し、アミノ酸を生成し、パワーのある旨味をつくりだす。パセリ状の、または大理石風の美しい模様を描き出す。

でも、水分の油脂肪分が分離しやすく、崩れやすい。伝統的な製法で作られる青カビチーズは、ひときわ塩っけが強く、実に個性的であって、ピリッとした風味を感じさせ、つーんと鼻に抜けるような香りが特徴である。

未熟なものは、青カビは見えない。適熟から完熟になると、色鮮やかな青カビがチーズ全体に散っている。さわやかではあるが、やはり特有の味わい。過熟ともなると、青カビがグレー、茶褐色のなり、その特有の香りを生み出す。

一方で、おだやか風味の青カビ・チーズが人気だ。塩っけはほどほどに、香りはやや強め。しっとりマイルドな舌触りで、それでいてクリーミー。それもそのはず、乳脂肪分が70%と高め。

青カビ・タイプは、店頭に並んだ地点で、すでに食べごろ。なるだけ、日付の新しいものを。カット面が濡れたような状態だと、ペーパー・タオルなどを断面にあてがい、余分な水分や油を吸い取ってやること。

デイドロたち百科全書が定義した《チーズたちの王さま》といわれる世界一高貴な青カビ・「ロックフォール」は、まさに別格扱い。

自然が生んだ力と、人間の知恵が生んだチーズの傑作。ローマ時代を起源にもつ、フランス最古のチーズともいわれる。11世紀の初頭、シャルル6世があの名高い岩穴をチーズの熟成場所として限定的ではあるが指定し、生産させたともいわれる。

塩味はきついが、青カビの香りと味はシャープ。ビールじゃないが、ドライなキレ味は、まさにモダンなチーズともいえる。

フランスは中央山塊の南、ルエルグ地方。なんでも6~700年前のこと、火山の大噴火と、陥没によってできた標高が800~1200mの石灰岩質のレ・グラン・コウスと呼ばれる広漠たる高原地帯。

そのうちのコンパルー山斜面に形成された巨大な洞窟で、ロックフォールは生まれる。年間の降雨量は多く、風は冷たく、湿度も高め。その山すそにあるロックフォール村の北面は切り立った断崖になっており、その足元には壁沿いに堆積物が横たわっている。

それは、2~300万年前、3度にわたる川の大浸食で地すべりが起こり、崩壊した岩山がうず高く積み重なって出来たものであるらしい。それらが幾つかの洞窟をつくった。それをまた、堀削し、階層の構築化をはかったりしながら人間たちが手をいれて、世界でも有数の巨大熟成庫となった。

ロックフォールの洞窟内は、天然の風穴であるフルリーヌがあり、この”風の道”は洞窟内の壁のなかを網目のように循環し、カーブと外をつないでいる。それはカビの胞子を運び、その上温度は6~9℃、湿度はというと95~98%と、一年中一定に保たれている。

その洞窟内に生息する土着のペニシリウム・ロックフォルティを採取するため、特別酸味の強い黒パンを焼き、青カビを蔓延させ、パンの中身を粉末状にし、その胞子の粉末をカードにふりかけるとか、ひつじ乳に直接いれてしまう。

そう、洞窟内は、ロックフォールの青カビの花を咲かせる天然の巨大なチーズの熟成庫でもある。「風と神のおとし子」といわれるゆえんである。
                           
                   次回「ロックフォール」、其の弐へ続く・・・

参考;『チーズ図鑑』(文芸春秋編、刊)
    出所・出典不明の各資料

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